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磯魚ワンダー図鑑 アラマタ版
「新書館」(2007/07) 荒俣 宏(著)
21×14cm 390P
¥3,990(税込)

魚の図鑑というよりも、個人的な魚の観察記録の集大成といった本。作家であり、学者でもある著者の魚学の一端に
ふれることができます。
冒頭で、本書は「海の生物と長く付き合ってきて折々に体験した感動やら疑問やら驚きやらの集大成」であり、「物語であり
博物学でもあるような解説と、絵のような写真とを組み合わせることに腐心した」と著者が述べているように、一般的な
図鑑とはちょっと趣を異にしています。従って、本書をどう見るかによって、評価が分かれる所です。
掲載される写真は荒俣氏自らが撮影したもので、いわゆる真横から撮った図鑑的な写真ばかりではなく、上から撮ったものや
正面から撮ったものもあります。また、全体的に暗くて不鮮明なものが多く、幼魚のみの種もあったりして、種の同定が
難しい写真もあります。図鑑としての写真の価値は、高くありません。
写真と解説が必ずしもペアになっておらず別々のページに掲載されていたり、多くの図鑑の巻末にある種名による索引が
なかったり、同じ種の同じような写真が何枚もあったりと、一般的な図鑑として見るとちょっと疑問符がつきそうです。
本書の価値は、何といってもその解説にあります。長く海の生物と関わってきた著者の、魚に関する見識や、観察の観点など、
氏独特の解説はユニークで、とても面白く読めます。魚の名前の由来や、地方独特の呼び名、おもしろい生態や飼育方法・
採取方法、料理法や味についての解説など、一般の魚図鑑に掲載されているような解説とは一味違った、氏独特の味が
出ています。
最初の一冊としてお勧めできる図鑑ではありませんし、どなたにもお勧めできる図鑑でもありません。むしろ、氏の魚に対する
博物学的見識を楽しみたい方のための読み物といった方がいいかも知れません。

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