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沈黙の海へ還る ザ・ラスト・ダイブ
「光文社文庫」(2006/08)
バーニー・チョードゥリー(著) 楡井 浩一(訳)
15×11cm 414P
¥680(税込)

ケーブ(洞窟)ダイビングからレック(沈船)ダイビングへと、飽くなき挑戦を続ける、類まれなる才能と技術を持った親子
ダイバーの悲劇的な物語。
「シャドウ・ダイバー」(ロバート・カーソン著)にも登場する父クリス・ラウス
と息子クリシー・ラウス。ダイビングに対する天性の素質を持ち、親子の絆で結ばれた二人。互いに激しく毒づきあい
ながらも、信頼し合い、次第に経験を積み実績を上げることにより、ダイバー仲間内での名声を獲得していきます。
そんな二人が挑んだ危険な挑戦。それは、アメリカ・ニュージャージー沖の水深70mに沈む、ナチスドイツのUボート。
公式な文書には沈没の記録が一切ない場所に沈む、謎のUボートの正体を暴くべく危険なレックダイビングに挑戦し、
悲劇的な結末を迎えることとなってしまいます。
二人のダイビングに対する情熱と、飽くなき探究心。父クリスの旺盛な行動力と、明るくさわかやで、人付き合いの
いい人柄。息子クリシーの、父に反発しながらも、他人に対する思いやりのある、温かな性格。そんな二人を見守る、
クリスの妻スー。ラウス一家の魅力がよく描かれていて、ほほえましくもあります。
ただ、自身も一流のケイブダイバーである筆者が綴った、二人の才能あるテクニカルダイバーの生涯ですが、どちらかと言えば
淡々とした文章でやや盛り上がりに欠け、今ひとつ読み終えた後の印象が薄い感は否めません。
なお、ラウス親子のラスト・ダイブとなった謎のUボートの探索については、「シャドウ・ダイバー」
(ロバート・カーソン著)で感動的に描かれています。息子のクリシーが沿岸警備隊の救助ヘリに乗せられる際の、
船長と救助員との会話の内容が本書と逆転しているなど、併せて読むと大変興味深いものがあります。

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