|
シャドウ・ダイバー 深海に眠るUボートの謎を解き明かした男たち
「早川書房」(2005/06)
ロバート・カーソン(著) 上野 元美(訳)
19.5×14cm 527P
¥2,310(税込)

水深70mの海底で発見したナチスドイツの「Uボート」の正体を探るべく、死と隣り合わせのレック・ダイビングに命をかけた男たちの物語。
沈没船に潜り、船内の遺物を引き上げるレック(沈没船)・ダイビング。深い水深と、狭く入り組んだ暗い船内。船内での活動に
より透明度0mにまで落ちる極端に悪い視界。窒素酔いと減圧症の恐怖。そこは、一般のレジャー・ダイビングとは無縁の、
まさに死と隣り合わせの、危険なレジャー・スポーツの世界です。
1991年アメリカ・ニュージャージー沖の水深70mの海底で発見したナチスドイツの「Uボート」。公の資料には一切
記録のない場所で発見された、その謎の「Uボート」の正体を明かそうと、屈強のレック・ダイバー2人が執念ともいえる
ほどの情熱を傾けた、実話にもとづいた物語。
本書の冒頭と巻末に、この「Uボート」探索に関わったレック・ダイバーたちの勇姿や、船内から引き上げられた遺物、
破壊された「Uボート」内部や、乗組員の生前の写真などが掲載されています。
最初は何気なく見るだけだったそれらの写真。でも、主人公の2人がレック・ダイバーになるまでの生き様や、「Uボート」
探索中に減圧症で命を失った親子、若くして二度と戻らぬ覚悟で「Uボート」の乗組員になった人たちなど、物語を読み
進めながら掲載された写真を見返すと、それらの写真が圧倒的な現実味をもって迫ってきます。
深い海底に沈んだ「Uボート」の狭い船内での、スリリングな活動の様子。読む人の知的好奇心をくすぐるような、
多方面に亘って展開される、地道ながら精力的な聞き取り調査。謎の「Uボート」の正体をなかなか突き止めることのできない
苛立ちと、僅かな手がかりによってもたらされる希望の光。上質のフィクションのような物語ですが、すべて実話です。
第二次世界大戦当時の「Uボート」乗組員の物語と、その謎の「Uボート」探索という死と隣り合わせの世界。
過去と現在の、命をかけた男の世界が絶妙に交錯し、すさまじい物語のなかに引き込まれます。
なお、本書に登場し悲劇的な最後を遂げる、ラウズ親子の物語「沈黙の海へ還る ザ・ラスト・ダイブ」(バーニー・チョードゥリー著)
も併せてどうぞ。

|