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魚が恋する海
「旬報社」(2003/12) 中村 征夫(著)
21×13cm 115P
¥987(税込)

水中写真家・中村征夫氏が日本の海で逞しく暮らす海の生き物たちへ寄せる想いを語りながら、開発による環境破壊への警鐘を鳴らす一冊。
本書は、中・高校生達に理科を教えている山岡寛人さんが筆者・中村征夫氏にインタビューする形式で構成されていますが、
その中で筆者が海に親しむようになった幼少期のことや、水中写真を始めるようになったきっかけ、水中写真の第一人者と
なった現在思うこと、などなど、筆者の人となりが赤裸々に語られています。
と同時に、人間の同情の念が入り込む余地などない、弱肉強食の掟が支配する、きびしい自然の世界。だからこそ、
そこで懸命に生きる海の生き物たちを温かく見守る筆者の視点、水中写真を通して筆者が訴えようとしているものに、
素直に共感できます。
日本の海をこよなく愛する中村氏が、なぜヘドロに埋もれた東京湾にこだわって30年以上も潜ってきたのか、それほど
彼を惹きつけるものとは何なのか、本書を読むとその理由が分かります。
本書のちょっと変わったタイトルにも、筆者の東京湾に対する思い入れがうかがえます。
素直な語り口調で書かれた平易な文章ですが、非常に示唆に富んでいて、考えさせられるものがあります。
我々がどう自然と接すればいいのか、自然の環境を守るためにどうしたらいいのか。海という自然の世界と長く
付き合ってきた筆者の視点が、貴重なアドバイスになりそうです。

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