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エンデュアランス号漂流 (新潮文庫)
「新潮社」(2001/06)
アルフレッド・ランシング(著) 山本 光伸(訳)
15×11cm 466P
¥820(税込)

南極大陸横断に挑戦するも氷に行く手を阻まれた探検隊の、想像を絶する寒さと飢えと疲労に耐えながらの17ヶ月に及ぶ漂流記。
今から100年ほど前の1914年の暮れ、ノルウェーの探検家アムンゼンが初めて南極点に到達した3年後に、
南極大陸横断のためサウスジョージア島を出発した、英国人探検家シャクルトンを隊長とする総勢28名の探検隊。
しかし、南極大陸を目前にしながら、一行を乗せた船「エンデュアランス号」は氷に閉じ込められ、そこから17ヶ月にも及ぶ
極地の海での漂流が始まります。
しかし、本当に悲惨な旅は、氷に押しつぶされそうになった船を放棄した時から始まります。僅かな食料と貧弱な装備を携え、
頼れるのは自分の力だけ。先の見えない絶望感に苛まれながら、氷に閉ざされた氷点下の世界を生き抜く隊員たちの姿が、
痛々しいほど克明に描かれています。
でも、その一方で、知恵を絞って過酷な環境に対応しながら、懸命に生き抜く人間の底知れぬ生命力に驚かされ、圧倒されます。
彼らは、当初の目的である南極大陸横断には失敗したものの、大陸横断の旅で待ち構えていたであろう苦難に匹敵する、或いは
それを上回るほどの困難を乗り越え、全員無事生還したことはまさに奇跡であり、南極大陸横断に匹敵する偉業と言って
いいでしょう。
人類史上初めて南極点に到達したアムンゼンの陰に隠れ、あまり知られていない、この想像を絶する過酷な旅の物語は、
読む人に大きな感動を与えると同時に、決して諦めることなく生き抜くことの大切さを語りかけてきます。
なお、このシャクルトン隊の南極探検の様子は、本書以外にも、シャクルトン自身の手になる
「エンデュアランス号漂流記」 や、
ジェファニー・アームストロング著「そして、奇跡は起こった!―シャクルトン隊、全員生還」
などがあります。
また、本書の冒頭でさらっと触れられている、オーロラ号に乗り組んだサポート隊の物語は
「シャクルトンに消された男たち」と題して、2007年8月に発刊されました。本隊のために命を賭して使命を果そうと
した彼らの物語も、また感動的です。本書と併せて読むと、南極大陸をはさんで繰り広げられた男たちのドラマに、
深い感慨を覚えます。

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