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海底からの生還 (光文社文庫)
「光文社文庫」(2005/02)
ピーター・マース(著) 江畑 謙介(訳)
15.5×10.5cm 334P
¥600(税込)

水深74mの海底に沈んだ潜水艦に生き残った乗員33名を、自ら考案したレスキュー・チェンバーで救出した、米海軍の隠れた英雄の物語。
第二次世界大戦前の1939年に起こったアメリカ・ニューイングランド沖での潜水艦沈没事故。潜水艦「スコーラス」の
全乗員59名のうち生き残った33名を救出するため事故現場に召集されたのが、本書の主人公、スウェード・モンセン。
米海軍の大尉であった彼は、潜水艦のなかに閉じ込められた乗員を救助するためのあらゆる手段を模索し、発炎筒、
電話つきのマーカーブイ、深海を潜るためのヘリウムを使った混合ガス、緊急浮上用の簡易呼吸装置である「モンセンの肺」、西洋梨の形
をした救命鐘(レスキュー・チェンバー)「マッケーンのベル」などを考案、開発しています。
その彼が事故現場で陣頭指揮をとり、さまざまな障害を乗り越えてレスキュー・チェンバーで潜水艦に辿り着き、
乗員全員を無事救出する様子が、克明に描かれています。さらに、その後の潜水艦引き上げ作業にも大いに貢献します。
この救出劇が、今までに沈没した潜水艦から生存者全員を無事救出した、史上唯一の事例であることを考えると、
モンセンの功績がいかにすばらしかったか、うかがい知ることができます。
潜水艦乗組員の救助という命題に傾けた彼の情熱、たゆまざる研究心、行動力には、まさに脱帽ものです。
一方で、自分の功績に関し非常に謙虚だった彼を忠実に描きすぎたせいか、本書の一番のポイントである潜水艦からの
救出劇の場面などは余分な装飾もなく、むしろ淡々と書かれており若干迫力不足の感じがします。最初の生還者がレスキュー・
チェンバーから現れた場面などは、本当はもっと盛り上がったはずでは、と思えてしまうほどにサラッと書かれていて、
ちょっと物足りなさを感じます。

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